ウェディングブーケは、ドレス以上に持つ人のセンスが現れます。トレンドと自分らしさのバランスで似合う逸品を手に入れ、おしゃれ上手を印象づけたいものです。ブーケの中でも抜群の人気があり、多くの人が憧れを抱くのが「キャスケード」です。しかし、生花で造られるキャスケードにはいくつかの問題が生じます。安定した人気を誇る定番品に、安心を加えた新しい提案をします。
キャスケードとは
キャスケードとは英語のcascade「小滝」のことで、上から下へ流れ落ちるという意味です。その名のとおり、キャスケードブーケは上部にボリュームがあり、水の流れのように花や葉、ツルで動きのある曲線を描き、全体としては逆三角形にまとまります。清楚さと、洗練された優美な大人の風格を演出し、空間を魅力的な雰囲気で満たします。計算された無造作感が特徴で、ナチュラルでしなやかに揺れるフォルムが、優雅な美しさと純粋さを実現します。気品あふれるラインが印象的で、定番のユリやカサブランカ、ランを用いると、豪華でエレガントな仕上がりです。
シーン：教会？
伝統的には、神聖な教会式で、長いトレーン（裾）のドレスにロンググローブを合わせ、そこにキャスケードブーケを持つのが正統派とされていました。しかし、宗教等の厳密性が薄い現在では、お洒落なショートグローブでも、人前式やガーデンウエディングでも、ドレスもお好みで組み合わせは自在です。
種類：実は豊富！
王道は神聖さを連想させる純潔で無垢な純白。ユリ科の花をメインに、ホワイト×グリーンで透明感のある逆三角系のロングタイプです。中でも花姿に女王の風格を備えた、大輪のカサブランカを用いることが多いようです。
一般には格調高く、華麗でゴージャスですが、小花をmixすることで可憐な姿となります。あくまでも『形』に対して付けられた呼び名なので、色味のある花を用いた物もあり、斬新で目を引きます。流れるラインを表現するグリーンも、大きいものから小さいものまで様々で、小花が流れるようなキュートなものもあります。丈を短くしたショートタイプや、シルエットが細身のスリムタイプもあり、バリエーションは豊かです。
他のディアドロップ、ラウンド、クラッチ、クレッセント（三日月）、S字ブーケにも、キャスケードの要素を加えたオリジナル性の高いブーケも人気を博しています。
生花の問題：におい、汚れ、アレルギー、型崩れ
キャスケードに使われるユリ科の花には、独特の強い芳香と飛散しやすい花粉がつきものです。せっかくの美味しい料理の邪魔をしたり、素敵なドレスや会場を汚したり、敏感な方のアレルギーを引き起こしたりと、不快な思いをすることも少なくありません。また繊細で傷つきやすく、その白く大きな花弁についてしまった傷は目立ちます。更に大きな花の重さでゆがみやすく、自身はブーケに束ねられた後も成長し続けるので、より型崩れしやすいのです。加えてキャスケードの要となる曲線部は、絡まったり何かにひっかけやすく、小さなダメージが大きな損傷を引き起こしやすいのも特徴です。
欠点克服キャスケード：造花ブーケ
デメリットへの対処法として、造花の使用が効果的です。もちろん生花でも用いる花を変えたり、揺れるフォルムの工夫で欠点は軽減されます。できる限りイメージするキャスケード像のまま簡単に克服するには、造花ブーケがお手軽です。造花にはにおいも花粉もなければ、アレルギーとも無縁です。丈夫なので傷や重さでのゆがみも少なく、生花では表現できないような絶妙なバランスを保ち続けます。多少のダメージも修復しやすいメリットがあります。
似合うタイプ：誰でも！どんなドレスでも！！
どうしてもロングキャスケードのイメージが強く、背の高い人、大柄な人に似合うと紹介されがちです。しかし丈や全体の広がり具合を調整することで、背の低い方や小柄な方向けのブーケとなります。バランスが良いとされるのは、ブーケをやや腰の低い位置でキープした姿勢で、この時に長くても膝上で収めると上品です。ボリュームは、ブーケがドレスよりも一回り小さいものが馴染みます。
ブーケの逆三角形に対して、ドレスは三角形のものとの相性が良いと言われています。具体的には、上半身は体のラインに沿わせ、下半身にボリュームを出した「プリンセスライン」や、アルファベットのAのように下方に広がる「Aライン」です。尾を引くトレーンや縦長のイメージから、「マーメイド」にも似合います。長さ、量の調整や見せ方次第で、キャスケードは他のどのタイプのドレスにも馴染む万能型です。
定番だけど、定番だけじゃないキャスケードブーケ。花嫁様の背格好やチョイスしたドレスに合わせてアレンジすれば、どなたでも、どんな衣装でも相手を選ばすに使いこなせます。造花を用いることでより安定した美しさを表現でき、ストレスなく最高の瞬間を彩ってくれます。造花のキャスケードブーケ、いかがでしょうか？
