大人の1.5次会|結婚式の “ご祝儀” について考えてみよう(1)

結婚式の招待状が届いた時に、祝福の気持ちとともに 「ご祝儀を用意しなければ…」 という重たい気持ちが湧いてくるのは正直否定できないところです。

ずいぶん昔から、ご祝儀の相場は “およそ3万円” という金額が定着していますが、社会構造が変わり、サラリーマンの平均年収が下降線を辿る現代においては、3万円という金額は実質負担増と捉えることができます。

たとえば、それがひと月の間に2回重なってしまった時などは、死活問題と騒ぎたくなるほど、ふところ事情に圧迫感を与えます。

それでは、この “ご祝儀3万円” というもの、招待する側にとってはどのように捉えられるのでしょうか?

 

あえて言うことでもないとは思いますが、招待する側、つまり新郎新婦は、招待状の中に 「ご祝儀は3万円です」 などという文言を決して入れているわけではありません。
“おそらく 3万円”  という見込みの金額に過ぎないものが、一般常識として無意識のうちに刷り込まれ、結婚式費用を算段する上での目安としてあてにしてしまった、非常に不確定要素の高いものということになります。

そして、この曖昧さ(=不確定要素の高い)が、準備・手配を進めていく上で戸惑いや誤解を招く要因になっていくわけです。

 

■ご祝儀額が不確定なことによって戸惑いを覚えると思われるものの一例
・料理のグレード
・引出物のグレード
・(遠方の場合)交通費・宿泊費の負担
・格式等によるご祝儀額の相場感(ホテル・レストラン・海外アフター…etc)

 

そのほか、自分の結婚式に招待した友人からのご祝儀が2万円だった場合、逆のケースでは同じ2万円で良いのだろうか? といったことに頭を悩ます人も少なくないようです。

これら以外にも思い当たる節はあると思いますが、いずれにしても “ご祝儀は3万円” という不文律によって、ちょっとした判断の迷いを生み、そのズレが誤解を招き、両者にとって本当に胃が痛くなる思いを招きます。

 

曖昧な要素によって生じる食い違いはなにも結婚式の場に限ったことではありませんが、もし、結婚式に出席している人の多くがこのようなことが原因でネガティブな感情を持ってしまったならば、それは新郎新婦にとってはとてつもなく “大きな悲劇” にほかなりません。

昨今では、「格安婚」や「オリジナル婚」に代表される「〇〇婚」といったもの、あるいは「1.5次会」という形式の登場により、カジュアルなものから本格的なものまで幅広い選択肢の中から自分たちに見合った結婚式を選べるようになってきました。

そうなってくると、“ご祝儀” についても一律した考え方が当てはまらなくなってきます。
両者の戸惑いを解消するためにも、このあたりの整備は急務といえるような気がします。

>> (2)へつづく