9月26日(水)、長崎県・ハウステンボスで開かれる、『ガーデニングワールドカッ
フラワーショー 2012 in JAPAN』 出演のため、東京・羽田から空路を利用して長崎
空港へ降り立ちました。
大村湾に位置する空港の空は青く晴れ渡っていて、風がとても心地よい。
ここから小一時間ほどかけてバスでハウステンボスを目指します。
海沿いの道をひたすら走っていきますが、目に映る光景は、現在ロードショーで公開中の映画、高倉健さん主演 「あなたへ」 の舞台にもなっている長崎県の漁村が点在する、のどかで穏やかなものばかり。バスものんびり走ります。
途中、車内でお弁当を頬張り、ほどよい暖かさにウトウト居眠りしていると、、、
着きました! ハウステンボス! 初上陸。
おーすげーっ!! けっこう感動。
受付を済ませ、いざ入園。
園内のいたる所に花壇が連なり、まるでおとぎ話の世界から飛び出してきたような風景が視界の一面に広がります。大きな大きな風車がわれわれを出迎えてくれました。
そして、
この建物が、ホテルヨーロッパ。
後ずさりするほど圧倒的なファサードに、開いた口もふさがらない。
滞在中は、このホテルにお世話になります。
ついでに館内から、
もうここは日本じゃないですね。まさにヨーロッパ。ベネチアに来たようです。
この景色を眺めながらの朝食は贅沢だったな~
さて、旅行気分はこの辺までにして、そろそろ仕事モードに切り替えましょう。
ここが、『ガーデニングワールドカップフラワーショー』 の開かれるパレスハウステンボス入り口です。門扉から一直線に伸びた先に見えるパレスハウステンボスは、威風堂々として存在感が際立っていました。
敷地内に入ると、すでに設営が始まっています。
世界各国から名だたるガーデナーが集結。見たことのある人もあちらこちらに。
さて、それではわれわれも取り掛かるとしますか。。。
われわれが飾るのは、パレスハウステンボス内2階にあるメインエントランスです。
普段は閉鎖されている場所らしいので、大変名誉なことです。
ここの5m×5mの面積を空間装飾する依頼を受けました。
依頼を受けるにあたって、『パレス物語』という冊子を参考資料としていただいたのですが、この宮殿が出来上がるまでの過程を知り、いたく感銘を受けました。
いろんな方の “想い” と “情熱” が結実した建物だったんですね。
私なりのオマージュを捧げた作品を創りたいという思いに強く駆られました。
それでは、まずは下地作りから、
コンクリートを模したおおきな壺に、ノーカットのアクアフォームを、ニシキギを支えに立てていくところから作業開始です。
今回設営するにあたっては、地元九州からも応援に駆けつけてくださって本当に大助かりでした。初対面とは思えないほどコンビネーション抜群。
それとは別に、思いがけないアクシデントに見舞われたりもしましたが、そのことさえもプラスに活用して作業は順調に進みます。
そして、途中休憩をはさみ作業開始からおよそ12時間、、、ついに完成です。
作品タイトル 『森の家』
『森の家』とは、「ハウステンボス(HUIS TEN BOSCH)=オランダ語」を日本語に訳したもの。私なりの解釈を作品にあらわしました。
そして、ここでひとつの実験を試みています。
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タイトル『森の家』
17世紀のヨーロッパ。荘厳で煌びやかな宮殿の中に突如出現した『森の家』。
この『森の家』で表現したかったことは、時の流れとそれとともに息づいている植物たちの生涯の一部分でした。
植物にとって、「水」は生きていく上で欠かすことのできない大切な資源ですが、ここではあえて「水」は一切使っていません。
そのことによって、時間の経過とともに植物たちがどう変化していくのか、その姿をみなさんに御覧いただきたかったのです。
“美しく咲いている姿”は、もちろん植物の大きな魅力のひとつですが、それだけではない植物の魅力に触れていただくことにより、御覧くださった方ご自身の心に重ね合わせたり、また、新しい発見に気付いていただくことがあれば、植物たちもきっと喜んでくれることと思います。
そして、それをわかりやすくするためにひとつの仕掛けがしてあります。 グリーン基調の中にアクセントとして使っている赤色。 これは、赤いバラの花びらですが実はフェイクです。
この変わることのないフェイクの赤いバラの花びらを定点として、移り行く植物たちの色の変化・形の変化・またそれとは違った何かを感じていただければ幸いです。
劇的花屋 和田 浩一
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お時間のある方は、ぜひ、足をお運びください。
この特別展示は、まだ、観られます♪
『ガーデニングワールドカップフラワーショー 2012 in JAPAN ~10/8まで
『森の家』の写真は、こちらからも多数見られます。(facebook)
劇的花屋(ドラマティックフラワーズ)
フラワーアーティスト 和田浩一の劇的花屋