結婚式 後撮りが、今ひそかなブームになっています。
後撮りのお申込みでご来店されるお客様から理由をお伺いすると、「結婚式の写真に満足がいっていないから。」という声が圧倒的に多いと感じます。
実は、この言葉にこそ、実際に結婚式を挙げた人が実感する、”結婚式への憧れと現実のギャップ” に翻弄されてしまった様子が凝縮されているように思います。
「結婚式は慌ただしい。」
これが現実です。
準備から本番当日のスケジュールに至るまで、結婚式は慌ただしく進んでいくものです。
「結婚式の写真に満足がいっていないから。」
たぶん、コレが普通です。
なぜなら、本格的に写真を撮ろうとするためにはどんなことが必要でしょう?
・機材をセレクトする
・構図を決める
・露出を調整する…etc.
など、やらなければならない準備は盛りだくさんです。
しかも、これらのことは、
・天候
・ロケーション
・室内の照明
といった環境に大きく左右されてしまいます 。
そして、被写体。
カメラマンにとっては、 被写体の良さを引き出すことが何より腕の見せどころです。被写体の良さを引き出すためには、コミニュケーションが欠かせない作業になります。
では、果たして結婚式当日に、これらのことにどれだけ時間を割くことができるのでしょうか?
「結婚式は慌ただしい。」
これが現実です。
カメラマンは言います。
「時間が足りない。」
これが真実です。そう、カメラマンも歯がゆい思いをしているのです。
後撮りの良い点は、”経験を生かせる” ところです。一度結婚写真を撮ってもらったことで、
「もっと全体を収めた写真が欲しかった」
「後ろ姿の写真を撮ってもらいたかった」
「カメラ目線ではない写真が少なかった」
「笑顔ばかりが強調されていた」
「ひとりの写真も欲しかった」
といった具合に、出来上がった結婚写真をパラパラめくりながら、様々な欲求が出てきます。結婚式が終わって、時間と気持ちに余裕ができた証です。
後撮りをした人(特に花嫁さん)は言います。
「すっきりした」
「時間をかけて撮ってもらえて大満足」
「これで結婚式に対する区切りがついた」
「胸のつっかえが取れた」
「ふたりだけの儀式のようで楽しかった」
ということは、結局こういうことではないでしょうか。
「そもそも結婚式を1日で済ませることは難しい。内容詰めすぎ。」
(そういえば、昔の結婚式は三日三晩に渡ってお祝いしたとか。。。)
であるならば、たとえば一年をかけて ”結婚式” という儀式をゆっくり味わうのもアリなのでは。何も形式に囚われ周囲に気を使ってハイ終了ではなく、それとは別にふたりだけの楽しみとして、自分たちの欲求にフォーカスしたメニューを進行表に組み入れても良いのではないでしょうか。
憧れていたレストランに行くのも進行表のひとつ。
思い出の場所へドライブに行くのも進行表のひとつ。
ホテル最上階に宿泊するのも進行表のひとつ。
先祖のお墓詣りに行くのも進行表のひとつ。
結婚式 後撮り が、一年に渡る壮大な結婚式の進行表のひとつになっても何ら不自然なことではありません。
結婚式 後撮り の人気の理由とは?
それは、つまり結婚式を、点ではなく線で考える風潮が起こりつつあることを、示唆しているといえるのかもしれません。