胡蝶蘭の栽培には大きく分けて2つの方法があります。
1つは、水苔による栽培。
この方法は、これまで20年以上に渡って日本の胡蝶蘭栽培の主流として確立されてきたものです。
2つめは、バーク(木のチップ)による栽培。
出始め当初はニュージーランド産を多く使用していたようです。このバークによる栽培は水苔栽培に比べ生産効率を高め、また根腐れを起こしにくい利点があるということで注目を集めましたが、花の大きさや輪数に難点がありました。
そこで、新たに登場したのがヨーロッパから来たプレサブ(バーク)というものです。
※プレサブ(バーク)についての説明は、前回のブログ プレサブとは をご覧ください。
鉢選び
栽培方法の違いによって気をつけなければならないことがあります。
それは、鉢(花器)選びです。
吸収の良い水苔と排水性に優れるプレサブ(バーク)では保水管理に違いが生じるため鉢もそれに合ったものを選ばなければなりません。
特に、水苔栽培には制限が生じます。
素焼き鉢とは、陶器を低温(700~800℃)で焼いた鉢のことを言い、通気性、吸水性、排水性に優れています。透過性が良いことから鉢内で蒸れる心配が少なく、水苔との相性はとても良い といえます。難点は、脆くて割れやすい、重い、汚れやすい、苔が付着する ことです。
水苔栽培以外には、乾燥を好む植物や過湿を嫌う植物、たとえば多肉植物やハーブ類・高山植物などに適した鉢といえます。
この素焼き鉢に関しては、以下のような類似品があるので注意が必要です。
駄温鉢とは、陶器を高温(約1000℃)で焼いた鉢のことを言い、縁に釉薬が塗ってあります。そのため強度が増し排水性と保水性のバランスがよく汎用性の高い便利な鉢ですが、水苔との相性は良くありません。(鉢内が蒸れてしまうため)
ホームセンターなどで一番多く陳列されているのはこの駄温鉢です。
朱温鉢とは、駄温鉢にほぼ同じで、縁の部分に釉薬が塗っていないものをいいます。釉薬が塗っていないため素焼き鉢との見分けが難しいですが、色味で判断すると 素焼き鉢はベージュ色 、朱温鉢は赤茶色 というふうに区別できます。
販売店などによっては、これらをまとめて素焼き鉢として売っているところもありますので、購入の際は十分注意してください。
一方、プレサブ(バーク)栽培においては、根を傷めないように一株ずつポリポットで保護してあるので鉢に対する制限は余りありません。好みやインテリアに合わせて多種多様の鉢を選ぶことができます。
このように、胡蝶蘭だけでなく、植物の特性によって適した鉢選びを知ると、植物に対する興味がいっそう湧いてきます。
もし、ご自宅のベランダや庭、リビングに植物があったら水やりをして比較してみてください。鉢の種類によって水はけが違うはずです。
植物と鉢の適正な組合せを知る。
植物ライフの楽しさがワンランク上がります♪
◇◇開店祝いに贈るなら、おしゃれな鉢の胡蝶蘭がよろこばれます◇◇