ウェディングブーケの作り方|クラッチブーケ

 

クラッチブーケとは、花の自然美を活かし無造作に束ねたブーケ のことをいいます。
クラッチ=「掴む」 「握る」 が語源になっているようです。

通常、クラッチブーケというと、小ぶりで丸い形をしていて茎を切り揃えたものをイメージすると思いますが、実はそれだけに限らず、花の形状に合わせて如何ようにアレンジできることもクラッチブーケの特長といえます。
上の写真もクラッチブーケのひとつです。

つまり、クラッチブーケとは、ブーケを製作する際の 技法 のことであって形状のことではありません。ですから、厳密にいうと、丸い形をしたブーケの呼び名は、 ラウンドブーケ という分類の仕方が正解になります。

近年、ウェディング雑誌を見るとウェディングドレス姿のモデルさんがクラッチブーケを手にした写真を多く見かけます。それだからなのか、実際の結婚式でも最近はクラッチブーケの人気がとても高いです。

 

 

クラッチブーケの例

 


いわゆるスタンダードなクラッチブーケ。 茎をスパイラルに束ねながら丸い形に仕上げていきます。

 

 

やや扇状に形を崩したクラッチブーケ。持ち手はグリーンと赤い紐でキュッと絞っています。そうすると、スマートでスタイリッシュな印象になります。

 

 


“赤ツル”  をループ状にあしらったクラッチブーケ。空間を活かすことで趣きに変化が生まれます。

 

 


赤いダリアのクラッチブーケ。房飾りなどの小物を上手に使えば和装用ブーケに様変わりします。

 

クラッチブーケは応用を利かせやすいので、その場のひらめきでアレンジすることも間々あります。
これはもちろん、お客様との打合せに則った上でのことです。
私などは特に、打合せ段階で細部までこと細やかにイメージを決めてしまうよりも、市場に直接買い付けに行ったときのひらめきや、実際にブーケ製作しているときに花の形状に沿って組み合わせているときの感性を大切にします。そのほうが、結果として満足度の高いブーケが出来上がる確率が高いと思っているからです。

 


ひまわりのクラッチブーケ。
「ひまわりを使ってスタイリッシュに」 というオーダーをもとに完成したブーケです。

 

 


カラーとバラにグリーンをざっくりと垂らしたクラッチブーケ。
「カラーのラインを活かした個性的なブーケを」 ということ以外はお任せでした。

 

 

テーマは「ベジタブル」。
野菜の種類はスーパーの売り場で目に付いたものをチョイスしました。
わかりづらいかも知れませんが、アスパラガスをクロスに組んだのはその場のひらめきでした。

 

ブーケの種類や説明をさらに詳しく知りたい方はこちらへどうぞ

 

手軽さ

クラッチブーケのもうひとつの特徴として 手軽さ があげられます。
ワイヤリングブーケやホルダーブーケに比べて 取り扱う上での手軽さ 価格の手軽さ といったようなことです。

クラッチブーケは、他の2つに比べて重量的にも軽いですし、また、うっかり何かにぶつかって花が折れてしまうリスクも一番少ないといえます。

ですから、たとえばお色直しで各テーブルをまわるときや、ガーデンパーティー・2次会などの立食スタイルで大勢の人と接するときには安心感があります。

また、ブーケトスやブーケプルズにも最適といえます。
なぜなら、ブーケトスはブーケを放るという行為が花の折れる危険を伴いますし、また、いずれも持ち帰ってもらった後に花瓶に入れて何日間かは楽しんでもらうことができるからです。
お花に普段慣れ親しんでいない人にとっても、クラッチブーケは取り扱いに戸惑う心配の少ないブーケということがいえるのです。

価格の手軽さ ということでいえばこんな例があげられます。

挙式では本格的なキャスケードブーケを選んでいて、

「ドレスチェンジするときにやっぱりブーケも一緒に変えたい、でも、これ以上は予算的にオーバーしてしまう」

といったような時にクラッチブーケはお財布に優しいブーケです。
ブーケトス、ブーケプルズをする際も然りです。

また、クラッチブーケの手軽さは作り手のわれわれにも当てはまります。
そのことが価格の手軽さに直結しているともいえます。

 

鮮度

われわれ作り手にとって、クラッチブーケ製作は お寿司を握ること に相通じる部分があると思っています。

それは、 鮮度 です。

自分の手のひらの温もりが直に花に伝わるクラッチブーケ製作は、手際の良さがより重要になってきます。
ああでもないこうでもないと何度も組み直しているうちに花は元気を失っていきます。

フラワーアレンジメントでは、下準備にいくら時間をかけても、いざ花を挿したり組んだりするときには手際良く短時間で作業を進めていかなければなりません。
それはつまり、 鮮度 が大きく関わっているからです。

そういう意味では、ブーケ製作においてクラッチブーケは特に手際が重要であり、短時間で完成度の高いものを作ることが、ひいてはお客様への価格の還元になっているともいえるブーケなのです。

ひらめき 手際の良し悪し が顕著にあらわれるクラッチブーケは、フローリストの技量や性格が顕著にあらわれるブーケでもあるのかもしれませんね。

 


オールドローズのアンティーククラッチブーケ

 

 


“小さな花嫁さん” をイメージしたプチクラッチブーケ

 

 

 

本日ご紹介したクラッチブーケ

 

■ ウエディングブーケの製作を承っています

劇的花屋では花嫁さんのお人柄を最重視したウエディングブーケを提案、完全オーダーメイドでお創りしています。配送は全国お承りしております。

「ブーケは持てればなんでもイイかも…」と思っている花嫁さんが最初は多いのですが、いざブーケを選ぶ段階となるとこだわりも強くなってくるとともに、どんなブーケを選べばいいのかわからない、と迷ってしまいます。

ブーケ選びには、フラワーアーティスト 和田浩一のブーケギャラリーをぜひ参考にしてみてくださいね。

 


ウェディングブーケの作り方|クラッチブーケ」への2件のフィードバック

  1. TOPの写真 ゾクッとしてびっくりしました 素敵ですね。
    クラッチブーケを初めて知りましたが、自分の好きなブーケの形が
    クラッチブーケってことを知りました^^

    1. めるさん
      お久しぶりです!コメントありがとうございます。とても嬉しいです。
      いろいろと更新していきますので、息抜きにでも見てやってください^^

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