MILAGROS(ミラグロス)1988

我が愛すべき劇的花屋の車に名前をつけました。
その名も、『MILAGROS 1988』 。  ミラグロス ナインティーンエイティエイト と読みます。

今回、車を購入するにあたっては、まさに “劇的” な出会いがありました。
長文になりますが、ここに、その一部始終を紹介します。

はじめは車はなしでもいいかと思っていました。
仕事が入ればその度にレンタカーを借りればいいと。
購入資金もかかるし買ってからがまた大変。
維持費、、、駐車場・車検・保険・税金・ガソリン…etc. そんなお金毎月払っていけるかと。
まあ、ようするに後ろ向きの姿勢だったんですね。
開業を決め、これから前進していこうという矢先になんで後ろ向きの姿勢なの。
計画性も大事だけど、守りの姿勢だけではちっとも前に進めやしないよ。
そうだ、軽だったら維持費も安く抑えられるしちょっと調べてみようかな…

たしか、そんな動機で軽の中古車を調べ始めたような気がします。
ただ、どうせ買うと決めたのなら、妥協はしたくありませんでした。車はお店の看板でもあるわけだし、やはりそのセンスはきっと問われるはず。それからというものは、軽でカッコイイ車を徹底的に調べ漁りました。自分としてはじっくり時間をかけ、いろいろなお店を比較検討した上で一番良い条件のものを買うつもりで意気込んでいたのですが…結果からいうと、一番はじめに問い合わせたお店で最高の出会いに遭遇してしまったのです。

とても丁寧で親切で車に対する愛情を感じるメールでした。
私の送った質問にそういう文面で応えてくれました。
そして、一度お店に行ってみることにしました。

私を出迎えてくれたそのメールの送り主は、そのお店の社長をされている方でした。
実は、私はその時点でもう決めていたのです。
「このお店から買おう」と。
実際見せてもらった車は非常に気に入るものでした。
商談はその日にまとまってしまいました。
私はその社長に、ひとつお願い事をしました。
「この車に名前をつけたいと思っています。ぜひ名付け親になっていただけませんか。」

それから一ヶ月以上が経ちました。
その間も、社長とは何度か電話で納車までの進捗状況を交換していましたが、車に付ける名前の件に関しては一切話題に上がりませんでしたし、私の方も変なこと頼んでしまったかなという気持ちがあったので、話題にしないよう努めてそうしていました。そして、そのままいよいよ納車の日がやって来ました。

納車の日は、お店のスタッフの方が最寄の駅まで迎えに来てくれました。
お店に到着するまでの道すがら車の様子を尋ねると、「大変いい仕上がりになっている。」とニコッと笑って 返事をしてくれました。なぜそんなことを聞いたかというと、ステアリングやホイール・荷台取り付けなど、いくつかのパーツをカスタマイズしてもらっていたからです。いよいよ胸が高鳴ってきました。

私の愛車となる車は、スタッフの方の言うとおり、大変いい仕上がりになっていました。
社長とは実際に会うのはこの日で2度目なのに、なんだかもう古くからの友人のような親しみがありました。そして、契約も完了し、いざ鍵を受け取りました。私は、お願いした車の名前については触れないままでいようと決めていました。 そのときです。

社長が少し恥ずかしげに、小さな紙片を手のひらから広げるのを目に留めました。
そして、「和田さんから頼まれていた車の名前なんですけど…」と言ってその紙片を私に見せてくれたのです。そこには手書きの文字で、『MILAGROS』と書かれていました。

MILAGROSとは、スペイン語で 『奇跡』 を意味する言葉だそうです。
社長はスペインの巨匠ガウディが大変好きだそうで、実際バルセロナにある世界遺産のサグラダ・ファミリアなどもご自分の目で確かめてこられたそうです。社長は、今回の私との出逢いを奇跡だと言ってくれました。そして、その気持ちを、大好きなガウディの国スペイン語で私にプレゼントしてくれたのです。私は社長に、「社長、私には1988という私にとって大切な数字があります。なので、その数字と社長が考えてくださった言葉を合わせて…」 「MILAGROS1988ですね。」

最後は、「今度ぜひ飲みに行きましょう。」という言葉とともに握手をして別れました。
自社整備工場を備え、道具に人一倍のこだわりを持っている職人気質の社長とは、これからも良い永い付き合いがしていけそうです。このお店に出会えて、この社長に出会えて本当に良かった。この劇的な出逢いに心より感謝しています。

MILAGROS1988

とってもいい名前がつきました。

 

劇的花屋(ドラマティックフラワーズ)
フラワーアーティスト和田浩一公式サイト