ひとくちに胡蝶蘭といっても、安価なものから高額のものまで様々な種類が存在します。
たとえばそれを 『白の3本立ち』 に例をとった場合でも、値段の幅に2万円位の開きが生じることも見受けられます。
それは、取り扱い店舗による仕入れコストの違いや価格設定の違いで誤差が生じることもありますが、そもそも、胡蝶蘭自体にランク付けが存在することも価格に大きく反映されてきます。一見同じ3本立ちでも、生産者の優劣によって値付けが変わってくるのです。
ただ、一般の消費者が生産者の格付けを判断するというのは非常に難しいことです。
そんなときは、胡蝶蘭に付いているラベルに注目してみましょう。
こうしたラベルが付いている胡蝶蘭は、生産者が優秀であるという証しになります。
(ラベルが付いていない生産者がすべて優秀でないということではありません)
優秀な生産者とそうでない生産者の違いというのは、 一言でいえば胡蝶蘭に対する愛情の深さです。
優秀な生産者は、手間隙を惜しまず胡蝶蘭にとって最善の環境を確保し面倒をよく見ます。そして、良質な苗を取り扱います。
苗にも国産物と輸入物があり、優秀な生産者は国産物の苗を1~2年掛けてじっくりと育てます。
一方、輸入物の苗は開花直前で仕入れ、半年くらいのサイクルで出荷されるので管理コストの削減に繋がり、結果、安価な大量生産が実現します。
しかし、リレー栽培(輸入物)で育てた胡蝶蘭と国内一貫生産(国産物)で育てた胡蝶蘭では当然デキに違いが生まれ、それは、花の大きさ・形・付き具合、葉の状態、最終的には観賞期間に顕著にあらわれます。
胡蝶蘭の花の観賞期間は、一般的に30~40日程度といわれていますが、優秀な生産者の胡蝶蘭の場合だと3ヶ月間良い状態での観賞を楽しめることも稀ではありません。(もちろん設置場所・水やり等の管理で状態は変わります)
逆に、2週間程度で花が萎れてしまった場合は、残念ながらハズレを引いてしまったことになります。
また、胡蝶蘭はその長持ちする性質から、仕入れてから販売するまで長い期間在庫として保管できます。
ですので、たとえ良質な胡蝶蘭だったとしても、仕入れ後30日経ったものが今だ店頭に並んでいれば購入してからの観賞期間はその分短くなりますので、生産者ともども信頼できる店舗で購入することが賢明です。
ちなみに、胡蝶蘭の鮮度を判別するポイントとしてわかりやすいのは、茎の先端を見ることです。
蕾が2~3りん付いているものは仕入れてからの日数が浅いと判断でき、先端まで満開に咲いているものは日にちが経っていると判断できるでしょう。
自宅での観賞用はもちろんのこと、贈答用としても、せっかくなら良質のものを贈って長く楽しんでいただきたいものですね。