結婚式場からもらうパンフレットの中には、かならず 『六輝表』 が入っていますね。
カレンダーに 「大安」 や 「仏滅」 といったものが記入されているものです。
多くの方はこの 『六輝表』 を参考にしながら結婚式の日取りを決めていると思います。
そうすると、必然的に『六輝表』に沿った良い日取りと思われるところに人気が集中します。
結婚式の申し込みはおおよそ半年前が相場のようですが、ハイシーズンに挙げるとするならば、1年位前でないと希望の日時を取ることが難しいようです。
日本の結婚式のハイシーズンは秋ですから、10月や11月は早めの予約が必要になってくるでしょう。
そんな中、今回はその 『六輝表』 に焦点を当ててみます。
この 『六輝表』 の根源をしっかり理解すれば、日取りを決める選択範囲がグーンと広がるかもしれません。
自分達らしい結婚式の実現に役立てていただければ幸いです。
【六輝表】
先勝(せんしょう)… 万事に急ぐことが良い。午前は吉、午後は凶
友引(ともびき)… 凶事に友を引く。朝は吉、正午は凶、夕は大吉
先負(せんぷ)… 何事も控えめに平静を保つ日。午前は凶、午後は吉
仏滅(ぶつめつ)… 万事が凶。葬式や法事は構わない
大安(たいあん)… 万事が大吉。特に婚礼などに良い
赤口(しゃっこう)… 凶日。特に祝事は大凶。正午は吉、朝夕は凶
以上が六輝表に記されているそれぞれの意味です。
結婚式の多くはこの中の 大安 に集中します。
10月11月の大安 土・日・祝日に式を挙げたいのであればその適合日は限られ、1年前に予約が必要だということも頷けます。
しかし、この 『六輝』 というもの。
果たしてどういうものかご存知でしょうか?
六輝(六曜)とは
六輝とは、元来、六曜(ろくよう) と呼ばれ、中国から伝わる 『暦注』 のひとつです。
『暦注』 とは、 暦に記載される日時・方位などの吉凶や、その日の運勢などを占う事項のことをいいます。
そんな六輝(六曜)は、14世紀の鎌倉時代末期から室町時代にかけて中国から伝わったものの、そのころは、『陰陽五行説』 や『十干十二支(干支)』 に基づいた 『十二直』 『二十八宿』 が強い影響力を持ち、しばらくは影が薄い時代が続きました。
ようやく明治の時代、カレンダーが導入されるのをきっかけに脚光を浴びるようになりましたが、本格的に今の形で日本に根付いたのは第二次世界大戦後からだそうです。私たちの生活に根付きだしたのは比較的最近のことなんですね。
そして、この六輝(六曜)。
調べれば調べるほど、はっきりとした根拠が見当たらないことが判ってきました。
変遷する六輝(六耀)
【先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口】
の読み方は、実は幾度も変遷しています。
あるときは、
【即吉・共引・周吉・虚亡・泰安・赤口】
と記載されていたこともあったようです。(唯一、赤口だけは名称が変わっていないようです)
また、さらにわかったことには、その意味すらもコロコロ変わっていることです。
前述したように、一見、仏事と関わりのあるような言葉が使われていますが、実は、仏教とは何の関係もありません。
辻褄合わせのようなところが多く見受けられ、根拠のない迷信であるということから、公共機関が作成するカレンダーには使わないよう行政指導が行われていることもわかりました。
つまり
結論づけてしまうと、六輝表によって結婚式の日取りを決めることに裏打ちされたものはないのです。
実際、仏前式においては『六輝(六曜)』は使われていないもようです。
われわれは、根拠のない迷信に単に振り回されているに過ぎないことになります。
『六輝表』 の逆利用
以上のことから、どうしてもピーク時期に挙式をあげたいけれども、申し込みに出遅れてしまったと思っている人は、大安をはずした日取りを調べてみてはいかがでしょう。
案外空いている日が見つかるかもしれません。
もしくは、思い切って 仏滅 で調べてみてください。
仏滅はほとんどの方が敬遠するので、ホテルであっても独占・貸切の雰囲気が味わえますし、時期によっては 『仏滅プラン』 なるもので割引サービスをしているところも見つかると思います。
いずれにしろ、六輝表にとらわれなくなった途端、劇的に選択肢が増えるはずです。
人の習慣
とはいえ、今の世の中において 『六輝(六耀)』 は我々の生活に慣れ親しんだものになっています。
人には習慣 があるので、親御さんや親族の方の事を考えると全く無視することもできないでしょう。
『六輝(六耀)』をどう活用するかの判断は、最終的には 「ひとそれぞれ」 と言うに留めるほかないようです。
しかし、果たして10年後は?
20年後、30年後、50年後も『六耀(六輝)』はわれわれの生活に根付いているのでしょうか?
自分たちにふさわしい結婚式をするために、風潮に惑わされず、この機会を利用して 『六輝(六曜)』 についてぜひご一考してみてはいかがでしょう?
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