観葉植物の育て方|5月6月の手入れ

花が咲いた雲間草

 

今日から5月。
新緑のまばゆい季節になりました。

 

新緑が眩い街路樹
新緑が眩い街路樹

 

GWの只中ということもありますし、心ウキウキしますね。

この時期は、観葉植物にとっても待ちに待った時期。いよいよ本格的な活動がはじまります。

 

ベランダ庭園
ベランダ庭園

 

私は、会社のサロンに観葉植物をたくさん飾っていますが自宅でも育てています。室内はもとよりベランダでもいくつかの植物が所狭しと幅を利かせています。セダムや高山植物の雲間草などがだいぶ生長してきました。

 

花が咲いた雲間草
花が咲いた雲間草

 

このようなベランダ庭園。
実はいま、密かなブームになっているようです。某国営放送の『植物男子ベランダー』という番組がなかなかの反響らしいです。

 

■観葉植物の育て方

さてさて、この時期の観葉植物の育て方に入ります。

先ほど述べたように、これからの季節、観葉植物は本格的な活動期に入ります。葉がグングン伸び花も咲きます。種類によっては実をつけるものもあります。

 

花を咲かせた観葉植物
花を咲かせた観葉植物

 

赤い実がなったシルクジャスミン(ゲッキツ)
赤い実がなったシルクジャスミン(ゲッキツ)

 

【太陽】

そのために、観葉植物はたくさんの太陽光を欲します。それも非常に貪欲に。それは、葉が太陽に向かって伸びる姿にあらわれます。葉は太陽の光を貪るために少しの恥じらいも見せません。ひたすら太陽に向かって葉を伸ばしていきます。あっぱれです。試しに普段とは180度回転させて置いてみてください。2日もすればすっかり向きが変わっているはずです。

そんなことから、普段あまり日が当たらないところに置いているのであれば、外に出して日光浴させてあげると喜ぶでしょう。(あまり強い日差しは葉を痛めるのでNGです)

 


【水】

次に水です。
冬の間7〜10日間隔であげていた水やりを、土の乾き具合を見ながら3〜5日置きに短縮します。水をあげる量は、土の表面だけでなく全体がしっかり湿るようにたっぷりとあげます。受け皿から染み出てくるのを一つの目安にすると良いでしょう。(受け皿に水が溜まったまま放っておくのも根腐れの原因になりますので適度な加減が必要です)

 

【土】

そして最後に土です。
この時期から栄養剤を与えることが解禁されます。冬の休眠期に栄養剤を与えることはタブーですが、活発な活動が始まるこの時期は栄養を吸収していくので、生長を促進させるには栄養剤を投与するとよいでしょう。(与え過ぎは間延びに繋がりますので注意が必要です)
また、土を入れ替えるのもこの時期がベター。鉢がパンパンで一回り大きなものに移し替えるにはこの5月6月が最適といえます。

 

新芽が出てきたアジアンタム
新芽が出てきたアジアンタム

 

■したたかに生きる植物

植物というのは、生命を維持するために、実はとてもしたたかな一面を持ち合わせています。

たとえば、この時期に購入した観葉植物の葉が、「ボロボロすべて落ちてしまった。」というような体験をしたことがある方はいないでしょうか?

この場合、決して枯れたわけではありません。
これは、観葉植物が新しい環境に馴染むために自ら葉を新しいものに入れ替えているのです。
「環境も変わったし、活動時期にも入った。ちょうど良いタイミングだから葉を入れ替えよう」
と言ったかどうかはわかりませんが、そういった主旨でこのような現象が起こる場合があります。ですので、このような場面に遭遇しても、決して処分してしまうことのないように気をつけてください。新しい葉はきちんと生えてきます。

 

■エピソード

“植物の生命力の強さ”を証明するエピソードをここでひとつ。
私の家のベランダに、切り花のキウイの蔓がバケツに入れられたまましばらくの間放置されていました。およそ半年近く。
その間全くの無関心で気にも止めずにいたのですが、あるときふと目を向けると、蔓の節から新芽が出ているのを発見しました。根がついていない切り花の状態のものからです。

それは日に日に大きくなり、全く無関心だったものが今では最大の関心事になっています。果たしてどこまで大きくなるのだろうか?根は張るのだろうか?もしかしてキウイの実をつけてしまうのだろうか?そしたらそれはデザートとして食べることができるのだろうか?

人が思うより植物はしたたかに生きていますが、植物からすれば、「人はなんて都合の良い生き物なんだ」と思っているかもしれませんね。

 

新芽が出てきたキウイの蔓
新芽が出てきたキウイの蔓

 

フラワーアーティスト 和田浩一