仏前式とは?|ご先祖様に報告する “縁” を大切にした結婚式

日本人としてのアイデンティティーが見直されている昨今。
結婚式の場においても 『和婚ブーム』 が再び到来している気配を感じます。

『和婚』 と聞いてまず連想される様式は、おそらく 「神前式」 でしょう。
数年前、女優の沢尻エリカさんが明治神宮で行ったのも記憶に新しいところです。
白い大きなユリをアレンジした斬新な髪飾りが、多くの話題を呼びました。
当時は、「あの髪飾りを真似たいというリクエストが相次いだ」 といった話を聞いたこともありました。

その「神前式」 の陰に隠れてしまっている感は否めませんが、日本伝統の『和装結婚式』 には、由緒正しいもうひとつの、「仏前式」 という様式が存在します。
あまり、馴染みのない言葉かもしれませんが、「神前式が仏前のご祈祷の内容を参考にした」 と言われるほど酷似したものです。

ホテルや結婚式場に 「神前式」 の設備が多くあるのに対し、「仏前式」 はほとんど備わっていないことも、知名度の点で神前式に劣っている理由のひとつでしょう。
それと、「仏前」 というと、なんとなくお葬式をイメージしてしまうところもあるのかもしれませんね。

ところが、先にも述べたように、その歴史を紐解いてみると、神前式と並び、近代日本における結婚式のスタンダードとして長きに渡り執り行われてきたことがわかります。
(そもそも、結婚式を専門の式場などで行う現在の形として一般大衆化されたのは戦後~東京オリンピック後になってからの事で、それまでは、一部の階級の人を除いて自宅で行われていたようです。)

 

仏前式とは

結婚する2人のどちらかの先祖代々に伝わる菩提寺か、あるいは縁のある宗派の寺院、または仏間のある自宅で行われます。

仏前結婚においては、「結婚する2人は生まれる以前から “因縁” 付けられていた」 という教えの元、仏様・ご先祖様に対して、出逢ったことを “報告” し “感謝” するという主旨で執り行われます。
愛を “誓う” ことを主旨とする 教会式とは、ここが大きく異なります。

仏前挙式が普及され始めたのは1892年。
(ちなみに、神前式は1900年。皇太子(後の大正天皇)の結婚の儀により国民の気運を高めたといわれ、仏前式との認知度の差は開いてゆきました。)

また、仏前式においては日取りは関係なく、六輝(六曜)にこだわる習慣はありません。つまり、「仏滅」 に仏前式を挙げても何ら問題はありません。
六輝(六曜)について気になる方は、こちら をご参照ください。

 

 

いかがでしょう?
少しは、仏前式というものがおわかりいただけたでしょうか?

 

仏前式というものには、

「結婚する2人は生まれる以前から “因縁” 付けられていた」

という教えがあり、

「仏様・ご先祖様に対して、出逢ったことを “報告” し “感謝” する」

という 主旨で行われるものなんですね。

非常に、われわれ日本人の精神に合った結婚式のように感じられなくもありません。

 

そして、仏前式であれば、当然、和装です。
着物を着たことのある方は実感なさっていると思いますが、きちんと着物を着付けてもらうと、ビシッと背筋が伸び、そして気持ちが引き締まります。
それこそ、日本人が日本人である事を自覚する機会のひとつです。

お寺の境内には四季折々の植物が植えられていることが多いので、
春は桜、初夏はツツジ、秋は紅葉、冬には椿の花がお2人の門出に彩を添えてくれることがあるかもしれません。

このように、粋な要素もたっぷりの仏前式。

「結婚式はこれから。」

という方には、ぜひ、候補のひとつに入れてみてはいかがでしょう。
純白のウェディングドレスも良いですが、白無垢姿の花嫁さんも、とっても惹かれますよね。

 

そうそう、最近の著名人でたとえるなら、

東MAXさんと安めぐみさんが仏前挙式でしたね。

 

お花に囲まれたパーティーに憧れている花嫁さんへ・・・☆
1.5次会|お花に囲まれた少人数の結婚式パーティー