今週の生け込み、メイン花材は “花蘇芳(ハナズオウ)。
明るい褐色の波打つ樹形が “妖艶な雰囲気” を醸し出す、豆科の花木。
この花蘇芳、赤紫色の小さな花を咲かせますが、近くで良〜く見ると、一つひとつが “ぷっくり” 膨らんでいて蝶の形をしています。実に愛らしい。
街角でも、ちょうどこれから3〜4月が開花時期なので、見かけたら近寄って確かめてみてください。きっと、感動すると思います。
それと、豆科だけに、花後は “サヤインゲン” のような実をつけます。
月曜日〜水曜日〜金曜日
今週もしっかり咲いてくれました。
会社のみなさまも写真を撮ったりと毎週楽しみにしてくださっているようなので、こちらも非常に張り合いがあります。
花を見ることで気分転換になり、そして再び仕事の席に着く。心の状態が安定していると、自然と作業効率も上がり、知らぬ間に会社の業績も上がっていく。
この会社のみなさまの、溌剌とした姿を見ているとそのような気がしてなりません。
私がここの花生けを引き継いだのは今年に入ってからですが、この会社ではもう20年も前から、エントランスに大きなお花を飾っているのだそうです。
それは一見贅沢で、
「儲かっている会社でないとそんなことにお金はかけられない。」
という意見が多数を占めることでしょう。しかし、果たして本当にそうなのでしょうか?
「儲かったから始めたのではなく、そうしていたから儲かる今がある。」
このような考え方もできるような気がします。
それは、
「もう少し暖かくなったらジョギングを始めよう。」
ということと同じなんだろうと思うわけです。
心のゆとりを生み出そうとする取り組みは、「目先の数字に縛られてはいけませんよ。」という社風を社員一人ひとりに植え付け、結果、会社の運営が健全化(人の体に言い換えれば健康になる)されていく。
植物のある空間は、そんな好循環をもたらすことに少なからず寄与しているのではないか。
私にとっては、ここでの花生けは、そんなことを再考させてくれるのです。