今日は、最近の私のイチオシについて書いてみます。
イチオシといっても モノ ではなく トコロ 。
“イチオシの場所” です。
目指す先は東京都調布市にある深大寺。
交通機関を利用で新宿を起点にした場合、京王線に乗り調布駅を経由します。
この間、準急だとわずか2駅17分。スマホをいじっているとあっという間です。
そうしたら次にバスに乗り換え揺られることおよそ10分、「深大寺入り口」の停留所で到着となります。
乗り換える時間などを考慮に入れなければ実質わずか30分弱の移動時間で、新宿から武蔵野の自然が残る “豊かな緑と水の土地” へ到着してしまうのです。
深大寺は、『深大寺そば』 というブランドがあるほど蕎麦で有名な土地です。
古くは江戸時代の書物に 「極めて絶品」 と称されていたくらい味は折り紙つき 。土壌が蕎麦作りに適していたようです。
私が今回訪れたのは、小雨降りしきる紅葉が散りはじめた12月の初旬でした。
実はこの土地をはじめて訪れたのが今年の4月のことで、深大寺を語るにはいささか日が浅すぎるのは承知しています。きっかけは友人の結婚式でした。
はじめて訪れて以来すっかりこの土地に魅了されてしまい、訪問は8ヶ月で5回を数えました。
深大寺参道
早速お寺を目指して参道へ。
散りはじめたとはいえどもまだまだ見ごろ。
深大寺へ導く参道の赤く色づいた紅葉の連なりは見事でした。
出掛けは雨が降っていてちょっとガッカリしていたのだが着いたころにはもういつ止んでもおかしくない程度の霧雨になってい、樹木の枝葉がしっとり濡れ石畳は艶やかで…
そんな景色にかえって風情を感じました。
もうしばらく時間が経つと、この向かい側には野点傘と緋毛氈の席を並べた茶屋が開きます。
この坂道を登りきった先には、広大な 『都立神代植物公園』 があります。
参道には味わいのある茶屋や土産物屋が何軒も軒を連ね江戸時代にタイムスリップしたような心地になり、店先に並ぶ作りたての団子や煎餅からの甘く香ばしい匂いはちょっと足を止めてみたくなります。
この日は平日の午前中まだ早い時間帯だったので人気はほとんどありませんでしたが、土曜日や日曜日は参道いっぱいに観光客で賑わいます。
運がよければ、深大寺で仏前式を挙げた白無垢姿の花嫁道中に出くわすこともあるんです。
蕎麦作りの原動力になっているのでしょうか。歴史を感じる大きな水車も江戸情緒をかきたててくれます。
深大寺は、連続テレビ小説 『ゲゲゲの女房』 の舞台にもなっていましたね。
参道入り口には 『鬼太郎茶屋』 がお出迎えです。
深大寺境内
さて、辿り着きました。
参道より石段を上がったところに深大寺本堂があります。
見事な茅葺屋根の山門がでんと腰を据えたように構えています。
この山門、慶応元(1865)年の大火により本堂を含めたほとんどの建物が焼失した中それを逃れた数少ない建物の一つで、東京に残る江戸時代の建築物の中でも意匠的に特に優れたものなんだそうです。
深大寺の家紋は桜の文様なんですね。
深大寺は、天平5年(733年)満功上人によって開山されました。
東京都では浅草・浅草寺に次ぐ古刹だそうです。本堂には阿弥陀如来像が安置されています。今の本堂は大正8年に再建されたということです。
4月に訪れたときは石楠花などたくさんの花々が咲いていて色鮮やかでしたが、今回は木々の色づきに目を奪われました。
縁結びの寺
深大寺は、別名 『縁結びの寺』 と呼ばれています。
これは、深大寺に伝わる 『縁起絵巻』 、「ある男と豪族の娘が恋に落ちたが二人の仲は裂かれてしまい、どうしても恋人に再会したい男が水神の深沙大王に祈願したところ、霊亀があらわれ二人の仲は許されることになった。そして、いつしか二人の間に生まれた子供(満功上人)が父の願いを叶え、深沙大王を祀るため深大寺を開山した。」 という記述が由来となっているようです。
このようないわれのある深大寺ですから、結婚式を挙げるのには大変縁起が良さそうですね。
そして、そのすぐ傍、参道の終点にあるのが 『日本料理・水神苑』 です。
この料亭も深大寺境内の一画に入るそうです。
旬の食材を厳選した松花堂弁当などの御膳料理もおススメです。
5月の結婚式で花を飾らせてもらって以来、この水神苑さんには大変親しくさせていただいています。
水神苑には、料理のほかにもうひとつ自慢できるものがあります。
それは、コンクールでの受賞歴がある日本庭園です。
この向こう側には池と、なんと滝まであります。
この土地の水量が豊富であることを物語っています。
そして、極めつけは数寄屋造りが趣きある「離れ」です。
今もなお残る 滝が流れ四季折々に姿をかえる 武蔵野の緑豊かな自然・・・
深大寺といふところには 昔と今と未来を紡ぐ 縁に結ばれし豊かなときが流れている
深大寺には、語りつくせない魅力がたくさんあります。