某会社様のいけこみをしています。
週に1回、毎週月曜日。
早朝の市場で新鮮な花材を買い付け、車に積み込みその足でまだ静まり返ったままの会社エントランスへと向かいます。
社員の皆さんが出勤してきたときに、1週間の始まりを新鮮な気持ちで気分よくスタートできるように、そんな想いを込めてお花をいけます。
それはまた、私自身にとっても、これから迎える1週間を占う大切な儀式であるかのような、とても身の引き締まる作業でもあるわけです。
そんな中、ここ東京では、2週続けて記録的な大雪に見舞われました。
あらゆる交通機関は麻痺し、人や車でごった返すはずの週末の街並は、本当にここが普段喧噪にまみれた場所なのかと目を疑うほど、路面は泥濘み遥か先まで見通しの利く光景に様変わりしていました。
しかし、この場所に関しては別世界です。
月曜日の時点では蕾だった梅、百合、これらの花たちが、この非常事態の状況下、見事満開に咲いてくれました。
かねてより、私は、「植物は人生を感動的なものにするために欠かすことのできない存在である」ということを信条のひとつにしてきました。ひとりでも多くの人にそのことを再認識していただきたい、そんな想いでこの仕事に従事してきました。
それが、どうでしょう。
まさに、この花たちが、記録的な大雪によって疲弊した人の心に日を当ててくれたではありませんか。この会社で働く社員の方達に、ほっこり春の癒しを提供してくれたのです。私の中に感動が芽生えました。
ありがとう、そして、あらためて想うこと。
「植物は人生を感動的なものにするために欠かすことのできない存在である」
このことを信条に、今のこの仕事をもっともっと高めてゆきたい。
日常生活のあらゆるシーンにおいて、植物の有益性を提案してゆきたい。
1週間のすべての仕事を終え、ようやく降り止んだ雪にほっとするのも束の間、すぐさまやってくる新しい1週間に、想いを馳せる週末の夜でした。