ウェディングブーケの選び方|サムシングブルー

サムシングブルーのクラッチブーケ
サムシングブルーをあしらったクラッチブーケ

 

結婚式における西洋の言い伝えに 『サムシング・フォー』(Something Four) というものがあります。

サムシング・オールド(Something Old)
サムシング・ニュー(Something New)
サムシング・ボロウ(Something Borrowed)
サムシング・ブルー(Something Blue)

の4つで構成された、花嫁が身に着ける “幸せを呼ぶジンクス” です。

 

サムシング・オールド(Something Old)とは、
祖先からの伝承を表したものです。祖母や母から受け継いだものを身に着けます。代表的なものでは、母が着たウェディングドレスや祖母から授かった着物をリメイクしたり、同じくパールのネックレスやダイヤモンドのイヤリングといった宝飾品を身に着けることです。

サムシング・ニュー(Something New)とは、
これからはじまる新しい生活に向けての誓い。花嫁衣裳の一部になにか新調したものを取り入れます。オーダーで作ったウェディングドレスはもちろんのこと、ファーストレンタル(※)のウェディングドレスもそれに該当します。シューズやグローブ、ベールなどといった小物でもOK。“新調した白いもの” がキーワードです。
(※)ファーストレンタル・・・まだ誰も着ていない新品のドレスを一番最初に借りられるシステム

サムシング・ボロウ(Something Borrowed)とは、
何か借りたものを身につけることをいいます。これは、先に結婚をして幸せな生活を送る友人たちにあやかろうというもので、友人たちが結婚式の時に身に着けていたハンカチやアクセサリーといった小物を借りて身に着けることです。

サムシング・ブルー(Something Blue)とは、
なにかひとつ青いものを身につけること。青は聖母マリアのシンボルカラーであり “純潔” を表しています。欧米の花嫁に最もポピュラーなのはガーターベルトにブルーのリボンを結ぶことのようで、これは「サムシング・ブルーは目立たない場所に着けるのが良い」ことからきているようです。
そのほかには、マリッジリングの内側にサファイアを埋め込んだり、ウェディングブーケにブルーの小花をあしらうことが多いようです。

 

サムシングブルーのキャスケードブーケ
『ブルースター』 をちりばめたサムシングブルーのキャスケードブーケ

 

サムシングブルーにふさわしい花

『ブルースター』 という名前の花が存在します。

品種名: ブルースター (ガガイモ科) 多年草
原産地: 中央・南アメリカ(ウルグアイ、ブラジル)
花言葉: 信じあう心 淡い想い

5枚の花びらが星が輝くように見えることからその名が付けられたブルースターは優しい水色の花です。海外では 『ベイビーブルー』 といって男の子の誕生を祝うラッキーカラーになっているところもあるようです。

そもそも、自然界において青色というのは希少な色です。
画家のフェルメールは、ラピスラズリ(非常に貴重な天然鉱石)が原材料の 『フェルメール・ブルー』と呼ばれるウルトラマリンブルーの絵の具をふんだんに用いていたそうですが、このウルトラマリンブルーは、通常の青い絵の具の100倍の値段がつけられていたといわれています。

花の世界においても、青いバラの開発が騒がれていることからその希少価値は伝わってきますね。そんな中、この “ブルースター” は、花言葉ひとつとってみても、またその可憐な容姿からも、まさに “サムシングブルー” にうってつけの花といえそうです。

メーテルリンクの童話 『青い鳥』 など、西洋において青は幸福を象徴する色として様々なエピソードが存在します。
西洋のスタイルに則って結婚式をするのであれば、ぜひ花嫁さんのどこかに “サムシングブルー” を忍ばせてみるといいのではないでしょうか。

サムシングブルーがポイントのオーバルブーケ
『ブルースター』 を忍ばせた羽根がアクセントのパステル系オーバルブーケ

フラワーアーティスト和田浩一|劇的花屋