今回は、ピンクのプリンセスラインのドレスに似合うウェディングブーケについて話を進めていきたいと思います。
プリンセスラインのドレスは、ウェディングドレスの中でもAラインと並んで非常に良く見かけるタイプのドレスです。
ウエストを境に上半身はキュッと締まっていて、 ウエストより下の部分はパニエを着けてボリュームを出します。
タイプは、ビスチェでタフタ素材を使ったセクシーなものから、大きなリボン、オーガンジー素材でふんわりフリルをあしらった可愛らしいものまで様々なラインナップがあります。中でもボリュームのあるタイプは、小柄な花嫁さんにはとても効果的なドレスです。
なにより、日本人の体型を美しいシルエットに仕上げてくれるところが、プリンセスラインの最大の特長といえるでしょう。
それでは、このように主張の強いドレスには、果たしてどんな形のウェディングブーケがしっくりくるのでしょうか?
ウェディングブーケを選ぶヒント
ウェディングブーケ選びで大切にしたい事はいくつかありますが、ウェディングドレスとの相性は欠かすことのできない大切な要素です。
例えば、ウエスト部分に大きなバラの花をモチーフにした飾付けがしてあるのに、それを隠してしまうようなデザインのブーケを持ったら台無しです。
また、フリルが贅沢にあしらわれたボリュームたっぷりのドレスに、これまたボリュームたっぷりのロングキャスケードのブーケの先端が、歩くたびにドレスのスカートとぶつかり合っていては見ている人もそちらの方ばかり気になってしまうことでしょう。
ウェディングブーケは、そもそも花嫁さんを美しく魅せるための補完的な役割を果たすものですから、まず、花嫁さんのパーソナリティーがありきで、その次に花嫁さんに似合うドレス選びがあって、 最後の仕上げとしてウェディングブーケを決めます。
決してそれぞれが独立したものではないということです。
次に上げる写真は、実際に挙式を挙げられた方のコーディネートです。
オーガンジー素材を贅沢に使い、ビーズの刺繍とウエスト部分にアクセントがある可愛らしいピンクのプリンセスラインのドレスです。
実際の例
ご覧いただいてわかるように、この花嫁さんにはリースブーケをご提案さし上げました。
ボリュームたっぷりのシルエットとのバランスに配慮して、花嫁さんのイメージに近い可憐なデザインで調和を図っています。
もう少しひいた写真も見てみましょう。
いかがでしょうか。
ウエスト部分の大きな飾りは、見通しの良いリースであればお互いを打ち消しあうことがありませんし、スカートの部分とブーケの先端が擦れる心配もありません。
また、形と共に大切な要素の色合わせですが、ドレスの柔らかいパステル系のピンクに合わせブーケのトーンもパステル系を基調にし、その上に発色の良いショッキングピンクでスパイスを効かせました。
強めの色を挿し色に効かせることで、遠目から見てもその存在がハッキリとわかるはずです。
このドレスに似合いそうなブーケを他にも紹介してみます。
ご覧のように相性が良いと思われるブーケをいくつか並べてみましたが、もちろん、これらに限ったわけではありません。
私自身、直観が働いたときはセオリーを度外視してコーディネートすることもあります。
それがまた、オンリーワンなブーケを提案する大切な要素でもあると思っています。
せっかくの楽しい作業も理詰めになりすぎてはつまらなくなります。
ここで説明してきたことも、あくまでも基本的なチェックポイントとして参考程度にすることが肝要です。
自分らしいウェディングブーケをみつけてください。
【今回紹介したウェディングブーケ】
劇的花屋(ドラマティックフラワーズ)
フラワーアーティスト 和田浩一