造花ブーケのオーダーメイド|アレンジとの境界とは?

ブーケには様々な顔があり、凝集された魅力が美意識をくすぐります。個性的、緻密で精巧、繊細、ナチュラル、優しい、大胆で贅沢、可愛くて胸キュン、大人な魅力…。トレンドを意識しつつ個性を注入し、時代にも自分にも似合うブーケで印象づけたいものです。

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オリジナル≠オーダーメイド

ウエディングブーケはオリジナルがいい、オリジナル=オーダーメイド!と思っている方がたくさんいます。ここで誤解が2つ。1つは『オリジナル』。本来、❛original❜とは加工される以前の❝元❞ですが、今では手を加えたものに対して、『独自に、独創的に』改良したととらえることが多くなっています。2つ目は『オーダーメイド』。オーダーメイドとはorder(注文)+made(生産)の和製英語で、受注生産のことです。注文後、作りますといった意味です。このorderを、「無」からの指示で100%自分のイメージが形にできる、との思い込みが非常に多く、もはや当然のごとく、その意味でサービスの享受がなされるほどです。もちろんそれが可能な分野もありますが、多くは限界があります。

自由度:オーダーメイド≧アレンジ??

「アレンジ」はarrange(整頓、配列)ですが、‘編曲’のニュアンスが強く、多くは‘手を加えて変化させる’意味で使われます。「オーダーメイド可」の方が「アレンジ可」よりも自由度が高い印象ですが、本来はむしろ逆です。ただ、多くの情報が溢れる現在、誤表記が多く、文字だけでは判断できないので注意が必要です。

手作りとオーダーメイド

手作りは、イメージ→材料準備→制作を全て自ら行います。その過程で様々な変更に迫られます。オーダーメイドはイメージを伝えて終了です。いかに充実したイメージをし、それをどこまで理解してもらえるよう伝えきれるか、に全てがかかっています。材料や製作過程を踏まえていないイメージは、どんなに伝えても食い違いが生じて当然です。

造花ブーケ

プロのちから

プロは与えられた環境(花材)を最大限に活かします。たくさんの知識と経験に、芸術家の豊かな発想が加わると、次々と新しいアートが誕生します。まさに造花が「アートフラワー(造花ブーケ)」となるのです。対比した配色や素材のmixでメリハリを出し、引き締め効果によってリズミカルな飛躍感が表現され、存在感のある逸品となります。360°どこから見ても絵になり、見る角度によって表情の違いを出せるのも洗練された技です。さらに見た目にはわかりにくい使用感にまで、細かい配慮がなされます。整ったフォルムをもちろん、流行りのナチュラル志向も、計算された無造作感でリラックスした幸福感を設計します。

造花ブーケのオーダーメイド

ブーケは花嫁様の数だけ存在するべきです。生花でも造花でも、基本は注文後作成するので、オーダーメイドです。多くの人が、「独創性、唯一無二」を強調したいと思うオーダーですが、ブーケの検討に費やされるのはわずかな時間。色、形の最低条件に使いたい花や予算を示す程度。意思疎通の手段として、限られた情報の参考写真やデザイン集を用い、「作り上げる」から「選ぶ」に移行しています。
この曖昧さを安心に変えるには、完成品の事前確認ができ、変更も視野に入れた造花ブーケが最適です。造花は、ブーケにするのに可能なカタチや季節を問わない機能性、何度も使える実用性を備えます。ブーケを造花にすることで選択肢が広がります。造花ブーケは、「選ぶ」あとの「アレンジ」に納得のいくまで「独創性」を組み込みやすく、結果、私たちの理想の「オーダーメイド」に一番近い仕上がりです。

造花ブーケ

現実:オーダーメイド≒アレンジ

ブーケのオーダーに、使う花やグリーン、小物も含めて1つずつ種類や量を全部指定するのか、配置や花の向きや束ねる長さ、組み合わせは無限です。注文する側も受ける側もかなりの負担です。事細かに指示するのなら、もはや手作りの方が早くて確実に思い通りに仕上がります。「オーダーメイド可」という店の多くは、「お電話にて、メールにてお問い合わせください」との表記です。「デザイン、大きさ、色合い、雰囲気、予算、ドレス写真」を求める場合も、双方の食い違いを最小限にするために、写真から「選ぶ」、それベースの「アレンジ」の流れが一般的です。

満足度の高い造花ブーケ

造花のメリットは、妥協なく何度でも組み直せることです。造花ブーケは、アートフラワーやアーティフィシャルフラワーとも呼ばれるように、芸術作品です。造花ブーケを依頼するにあたっては、素人がわずかに知っている生花像から花やカタチに固視するよりも、幅を持たせた方が有利です。造花で活きる知らない素敵な花に出会え、価格も抑えられ、より満足のいくものを手にできる傾向があります。

「ドレスに合わせて」「あなたのイメージで」「思いを形に」「あなただけの」とうたう『オーダーメイド』表記に固執する方がいます。しかしウエディングブーケは多くが受注生産、本来の意味の「オーダーメイド」で、「独創性」は『アレンジ』で作られています。言葉遊びの堅苦しい話ですが、要は表記された言葉に惑わされず、理想のブーケを生み出してくれるお店(人)に出会うことが全てです。しっかりとした経験や技術を持ち合わせ、じっくり話を聞いてくれる、もしくは短時間でもしっかりと意を汲んでくれる、そこから始まります。ブーケとの出会いは人との出会いになりそうです。

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